9月下旬、まだ暑さの余韻が残る頃に、店頭に並びはじめる果物があります。それが熊本県産「しおみかん」。みかんといえば冬の定番というイメージを持つ方も多いですが、収穫がはじまり、いち早く旬の味わいを楽しむことができます。季節の先取り感と、潮風の恵みを受けて育った独特の甘さとコク——それこそが「しおみかん」の大きな魅力です。

全国の収穫動向と熊本産の存在感
農林水産省の最新データによると、令和6年産(2024年産)の全国収穫量は約55万9,600トンと、前年に比べて18%減少しました。夏場の高温や日焼け果の発生、落果などが影響しています。特に和歌山・静岡・愛媛といった主要産地が裏年にあたったこともあり、全国的にはみかんの供給量が少なめのシーズンです。
そんな中で熊本県は、全国シェアの約11%(63,800トン)を占める安定した産地。秋口から出荷がはじまる熊本のみかんは、全国的に収穫量が少ない時期に店頭を支えてくれる頼もしい存在です。今年の秋、早くも美味しいみかんを味わえるのは、熊本産だからこそ。

潮風が育てるコクと甘さ
「しおみかん」の名前の由来には、熊本ならではの栽培環境があります。有明海に面した畑で潮風を受け、土壌に海由来のミネラルが行き渡ることで、ただ甘いだけではない、深みのあるコクと後味の良さが生まれるのです。爽やかな香りと濃厚な甘み、ほどよい酸味が絶妙に調和した味わいは、まさに“熊本の恵み”そのもの。ひと房食べるだけで秋の到来を感じさせてくれます。
小玉にこそ凝縮された美味しさ
みかんは一般的に、小玉の方が甘さが濃縮され、味が引き締まっていると言われます。同じ樹で育った果実でも、小さな実の方が果汁と糖分がぎゅっと詰まっており、濃厚な旨みを楽しめます。「小玉こそ贅沢」という声が農家からも多く聞かれるほどです。近年は温暖化の影響で小玉の収穫が難しくなっていますが、それだけに見つけたときは“当たり”。ぜひ一度ご賞味ください。
当社だけの“糖度○○○以上 または大きさ”基準
当店では、味に妥協しないために明確な基準を設けています。
- 糖度8以上 → 「熊本県産 しおみかん」として販売
- 糖度8未満 → 「熊本県産 みかん」として正直に販売
この基準により、お客様はラベルを見るだけで甘さを確認でき、「思ったより酸っぱかった…」という不安なく購入いただけます。確かに甘いみかんを選べる安心感、それが「しおみかん」の強みです。

甘みと酸味の黄金バランス
みかんの美味しさは糖度だけでは決まりません。酸味が程よく残ることで後味がすっきりし、甘さがより一層引き立ちます。「しおみかん」はこの糖酸比のバランスが優れており、ひと房食べると「もう一つ」と手が伸びてしまう軽やかな美味しさ。秋の食卓にぴったりのフルーツです。
食べやすく、見た目も美しい
しおみかんは、じょうのう(内袋)も柔らかいので食べやすさも抜群です。さらに、果皮の色づきが良く、見た目にも鮮やかで艶やか。手に取った瞬間に「おいしそう」と感じられる外観は、贈り物としても喜ばれる理由のひとつです。

農家さんと築く“近い距離”のサプライチェーン
おいしいみかんを届けるためには、産地と小売りの距離が近いことが大切です。当社は農家さんとの日々のコミュニケーションを大切にし、「どの畑の、どの時期のみかんが最も美味しいか」を共有。食べごろを逃さず仕入れる仕組みを構築しています。農家さんが手間をかけて育てた努力を正しく評価し、お客様にはその成果をありのままお届けする。それが当社の使命です。

健康にも心強い味方
しおみかんは美味しさだけでなく、栄養面でも優れています。温州みかんにはビタミンCやカリウムが豊富に含まれ、1日に2〜3個食べれば必要なビタミンCをしっかり摂取できるといわれています。季節の変わり目に風邪をひきやすい時期や、紫外線の影響が残る秋にこそぴったり。美味しく食べながら健康も支えてくれる果物です。
秋の暮らしを彩るしおみかん
- 9月下旬からの季節先取り:秋の訪れをいち早く味わえる
- 小玉の濃厚な甘さ:見つけたら“即買い”がおすすめ
- 糖度8以上の安心品質:ラベルでわかる確かな甘さ
- 農家直結の流通:食べごろの果実を最短でお届け
秋の始まりを告げるしおみかんは、食卓に彩りと笑顔を運んでくれるフルーツです。
